「今の働き方を、この先も続けられるかな」
「自分に合う仕事を考えたいけれど、資格の勉強にはお金もかかるし……」
仕事で疲れやすかったり、これからの働き方に迷ったりすると、学び直しに興味があっても、なかなか動き出せないことがありますよね。
そんなときに、知っておきたいのが『教育訓練給付金』です。
条件を満たすと、指定された講座の受講費用の一部を受け取れる制度で、働きながら利用できる場合もあります。
今回は、名前が似ていて少しわかりにくい3種類を整理してみます(*^-^*)
1 手に職をつけることも 選択肢のひとつ
HSPさんの仕事選びでは、職種だけでなく、得意なことや興味、人との関わり方、職場の音や忙しさなども大切にしたいところです。
たとえば、ひとつの分野をじっくり学ぶことが好きな方なら、専門知識や技術を身につける道も考えられます。
『手に職をつける』ことが、自分の得意なことを仕事につなげたり、働き方の選択肢を増やしたりするきっかけになるかもしれません。
ただ、HSPさんなら専門職が向いている、と一律には言えません。同じ仕事でも、職場の環境や仕事内容によって感じる負担は違いますし、資格があれば必ず働きやすくなる、収入が上がるというものでもありません。
「この勉強を、これからの自分にどう生かしたいかな」
そんなふうに考えるとき、費用の面で選択肢を支えてくれる制度として知っていただけたらと思います。
2 一般教育訓練給付金
まずは、仕事に役立つ知識や技能を学ぶ、幅広い指定講座が対象となる『一般教育訓練給付金』です。
・給付率は、対象となる教育訓練経費の20%
・上限は10万円
・講座を修了した後に申請します
たとえば、対象経費が20万円なら、給付額は4万円です。
対象かどうかは、資格名だけでは判断できません。同じ資格を目指していても、学校やコースによって指定の有無が異なるため、「申し込もうとしている講座」を確認することが大切です。
出典:厚生労働省「教育訓練給付金」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html
3 特定一般教育訓練給付金
『特定一般教育訓練給付金』は、早期の再就職やキャリア形成につながる指定講座が対象です。
・修了後に、対象経費の40%を支給(上限20万円)
・資格取得等と就職などの条件を満たすと、合計50%に(上限25万円)
追加支給には、講座が目標とする資格取得等に加え、修了日の翌日から1年以内に雇用保険の被保険者として雇用されることなどが必要です。雇用されたまま受講し、資格取得等をする場合も含まれます。
50%というのは、最初の40%を含めた合計です。40%に50%がそのまま上乗せされるわけではありません。
この追加支給は、2024年10月1日以降に受講を開始した講座が対象です。
出典:ハローワーク「教育訓練給付金」の特定一般教育訓練給付金の案内
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_education.html
4 専門実践教育訓練給付金
『専門実践教育訓練給付金』は、中長期的なキャリア形成につながる、専門的な学びの指定講座が対象です。
・受講中は、対象経費の50%(年間上限40万円)
・資格取得等と就職などの条件を満たすと、合計70%(年間上限56万円)
・さらに賃金上昇の条件を満たすと、合計80%(年間上限64万円)
基本の50%分は、受講開始から6か月ごとに申請します。70%分は、講座が目標とする資格取得等をし、修了日の翌日から原則1年以内に雇用保険の被保険者として雇用される場合などが対象です。すでに雇用されていて、修了日の翌日から原則1年以内に資格取得等をする場合も含まれます。
80%分は、70%分の条件を満たしたうえで、修了後の賃金が受講開始前より5%以上上がることなどが条件です。2024年10月1日以降の受講開始が対象となります。
こちらも、70%・80%はそれまでの支給分を含めた合計です。「最大80%」は、誰もが受け取れる割合ではないんですね。
僕も、キャリアコンサルタントの資格取得の際にこの制度を利用しました。これまでに受け取ったのは、50%分と追加の20%分を合わせた70%です。
僕自身の利用については、以前の記事でもお話ししています。
https://hsp-tsudoi.info/archives/995
出典:厚生労働省「Q&A~専門実践教育訓練給付金~」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000197058.html
5 申し込む前に確認しておきたいこと
3種類とも、雇用保険の加入歴などに条件があります。
初めて教育訓練給付金を受ける場合、必要な支給要件期間は、一般・特定一般が1年以上、専門実践が2年以上です。初回以外は原則3年以上となり、前回の受給からの期間なども確認が必要です。
離職している場合も、原則として雇用保険の資格を失った日から受講開始までが1年以内などの条件を満たせば対象になります。延長の特例もありますので、自己判断せずハローワークで確認してくださいね。
特に気をつけたいのが、受講前の手続きです。
特定一般・専門実践では、原則として受講前にキャリアコンサルティングを受けてジョブ・カードを作成し、受講開始の2週間前までに受給資格確認の手続きをします。予約や書類の準備もあるので、早めの相談が安心です。
一般・特定一般の修了後の申請は、原則として修了日の翌日から1か月以内です。専門実践や追加支給は申請時期が異なるため、受講前に一緒に確認しておきましょう。
また、給付金は費用の全額をまかなう制度ではありません。対象は主に入学料や受講料で、交通費、パソコン代、資格試験の受験料などは対象外です。先に支払うお金と、給付後に残る自己負担の両方を見ておきたいですね。
なお、失業中の生活を支える『教育訓練支援給付金』は、今回の3種類とは別の制度で、対象者の条件も異なります。
出典:ハローワーク「教育訓練給付金」、厚生労働省「Q&A~専門実践教育訓練給付金~」
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_education.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000197058.html
講座を探すときは、厚生労働省の「教育訓練講座検索システム」が使えます。
https://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/
まずは気になる講座をひとつ探して、「自分は使えるかな」と、お住まいを管轄するハローワークに確認するところからでも大丈夫です。
いま疲れきっているなら、学び始める時期を急がなくてもいいと思います。
自分に合う働き方を考えるときに、こうした制度も使えるかもしれない。そのことが、少しでも選択肢を広げるきっかけになれば嬉しいです(*^-^*)
※制度は2026年10月10日に確認した公式情報をもとに整理しています。受給の可否や金額は、受講開始日・指定講座・加入歴などで異なります。申込み前に最新の案内を確認してください。